person 81  作・草場あい子

電車。女。高校生。本。

昨日、急に、力説してきた。

「時間ってほんとに大事なんだぞ」

って。

兄が。

たぶんなにかから影響をうけて。

なぜなら、兄はすぐ影響されるから。

テレビで野菜は最初に食べると健康にいいって聞いて以来必ず野菜から食べるし、朝起きたら必ず白湯を飲む。好きな俳優が毎朝やってるって聞いたから。

それだけならいいが、それを毎回私にもすすめてくる。

しつこいくらいに。

そして今回もしつこいくらいに言ってきた。

「時間は1分も無駄にできない」

「時間は限られてるんだ」

って。

そして渡された。

「これ絶対読んだ方がいい」

って。

この本。

だから読んでいる。

電車に乗ってから。ずっと。

読んではいるが、全く意味が分からない。

言葉が難しすぎて。

でも、頑張った。

通学時間30分。

電車の中で黙々と読んだ。

時間がどんなに大切なのか。

ということを。

だけど、

改札を出ながら思う。

30分間頑張って読んだが、結局20ページしか読めなかったこと。

そして、昨日やり残した英語宿題のこと。

時間は1分も無駄にはできないのに。

通学時間の30分で終わらせられたのに。

20ページに費やしてしまった。

多分学校に着いても続きは読まないだろう。

着いたら速攻で宿題を終わらせなければならないから。

時間は無駄にできない。

でも無駄か、無駄じゃないかの基準は自分にしか分からない。

今は英語の宿題が私にとって1番大切だ。

先生に怒られないために。


2019年06月26日

草場あい子

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