レンタルビデオ case 04  作・渡邉大

水曜日のお昼頃。

バイトが休みなのでレンタルビデオショップで映画コーナーをみていた。

僕は、映画をそれなりに観る。

といっても僕は、あまり頭がいい訳ではなく、読み取る力がそこまでない。

でも、僕は映画が好きだからよく借りにくる。

そして今は、僕の手元には同じ監督のビデオが3つある。

僕が大好きな映画。

1つは、小学生の頃に家族と観に行ってとても好きになった。

夢があって、キラキラしてて、登場人物の全員を好きになった。

2つ目は、中学生になってレンタルビデオショップで借りて観た。

これも、やっぱり面白くて、かっこ良かった。この時に同じ監督なのを知って監督に興味を持った。

3つ目は、4ヶ月前に公開されて友達と観に行った。

これは、僕にはちょっと難しかったようで、あまり言いたい事みたいなのが分からなかった。

でも、カメラワークや構図がとにかく綺麗で、これも好きになった。

この3つの映画が大好きで、監督はどんな意味を込めてこの映画を作ったか理解できるようになろうと思ってた。

思ってたのに。

ちょっと前。映画評論家の人が、「この監督は映像の美しさだけで意味を込めていない所が多い」と言っているのを知った。

僕には衝撃だった。

今まで大好きで、全てに意味が込められていると思っていたのに。

あの医師の言葉は、

あのヤンキーの行動は、

あの少年の結末の中には、

何も意味が込められてないって?

僕の好きな世界には意味のないものばっかりだって?

そんなのはないだろう。

そんなのは嫌だ。

僕は急に、この映画達が空っぽで、軽いものに思えてきた。

でも。

それでもやっぱり僕は、この映画が好きで、

今日も借りて、何回も繰り返し観てた。


2018年12月20日

渡邉大

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